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【私が大三国志的「ドM」になった瞬間】

ライダー @Rider_16k

私が所属している同盟では、しばしば「ドM」という言葉が使われる。
いわゆる押せ押せの状況を好まず、劣勢で先の見えない状況になってからが大三国志だ――とする一部の人たちを指す。

ちなみに、上記にもれなく私も「ドM」である。

この機会に私がそのようになってしまった、今でも忘れられない瞬間を記そうと思う。

時は、英雄縦横(X054)まで遡る。
決勝中原にて相手側陣営に完膚なきまでにやられてしまっていたので、次のシーズン(英雄縦横)への思いは皆強かった。
個人としても、同盟としても良いスタートダッシュが決められて、順調な滑り出しだった。
ただ、ある程度の存在感を出すと周囲の目が厳しくなるのは世の理であり、大三国志でもそれは一緒。
外交的な委細は知らないが、結果的に包囲網が組まれてしまう。

構図としては記憶にある限り、青州(徐州)+揚州vs冀州+並州+涼州+益州。
外交的な取り決めがあった様で、敵対関係ではあるが冀州―青州間及び兗州内は不戦だったので、主な戦場は荊州、揚州、豫州になった。

人数差はほぼ倍かそれ以上。2同盟vs4同盟の戦争が始まった。

シーズン始まって一ヶ月程度での戦争開始だったこと、戦力差からはどう考えても勝ちは望めない展開だけに、個人的には既に諦めモードに入っていた。

しかし、この展開こそが私が「ドM」に至るまでの第一歩であった。

勝機はない。けれど負けたくない。なら負けなければいい。
端から報酬なんていらない。どうせ負けるならその時が来るまで粘ろうじゃないか――。

誰かがそんなことを言ったような、言っていないような。けれど同盟員の殆どがそのような心持ちをしていたと思う。
幹部が毎日防守の指示を出し、またチャットではこの劣勢を楽しむが如く声を出す人がいる。それに勇気を付けられて前線に繰り出す同盟員たち。
私もいつの間にか、諦めることを辞めていた。

一月経ち、徐々に押され始めるも士気は高く、心折れることはない。
他サーバーの状況により、残り期間は約一月と予想された。この頃になると、不思議ともう負けないなと思っていた。
この人数差でも戦える強い同盟に私はいるんだという帰属意識が芽生え、そしてそれは私を奮い立てる要因になった。

更に一月後、果たして我々は負けなかった。
出生州である青州、徐州に入られることもなく、友軍である揚州同盟の州府も守った。
シーズン記録に残る同盟一覧表で確認出来る、征服同盟なし。それは私にとって激闘の記憶であり誇りである。

このシーズンが私を「ドM」にした原点にして頂点であり、未だにこの経験を超えるシーズンには出会っていない。
大三国志の1シーズンは過ぎてみればあっという間の瞬間であり、忘れられない瞬間といえば今後もずっとこの時のことを思い出すだろう。