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リアルと大三国志と国家試験

せんおかず(@FXUtJ4zZ09650Nt)

宅地建物取引士の試験は10月、大三国志ではもうすぐ7季が始まろうとしていた。絶対に合格しなければならない。引退も頭をよぎった。

時は令和元年5月、社会人プレーヤーとして大三国志を1区で出生し、7季までずっとプレイしてきた私にリアル社会の会社から厳命が下された。「宅地建物取引士の免許を取りなさい」と…。

宅地建物取引士の試験は10月、大三国志ではもうすぐ7季が始まろうとしていた。絶対に合格しなければならない。引退も頭をよぎった。でもずっと一緒にプレイしてきた仲間もいる、盟主としての責任もある。兼ねてより社会問題となっている学力低下はゲーム依存症のせいだと言われていることにはいささか疑問を感じてはいた。本当にそうか?と。

そして私は考えた…では私が会社員としての生活もしながらゲームも行い、宅建取引士に合格すれば世の中の風評にひと槍、入れれるのではないかと。

まずできることとできないことを考えてみた。宅地建物取引士の試験は国家資格であり、合格率15%のなかなか難しい部類の試験とは言われている。法律や業法など覚えなければいけないことは山ほどある。頭を使う勉強だ。そして大三国志における盟主の仕事とは非常に神経と地図をみながら外交などもしなければいけないので頭を使う。

これはできないと思った。私はゲーム内で盟員に相談した。「宅建試験を受けるのだが、誰か7季だけ盟主を引き受けてくれる人はいないか?引退はしたくない、プレイもやめたくはない…」切実だった。なかなか盟主はみんな大変なので引き受けたがらなかいのはよくわかる、リアルの時間も神経も割く大変な仕事だ。誰も返信はない。

ところがしばらくすると1人1季から6季までずっと一緒だった仲間が手をあげてくれた。「引退をしないこと、プレイはすること、そして合格すること」これを条件に盟主をその仲間が引き受けてくれた。

大三国志は幸い、ゲームの中でも徴兵による時間や行軍の時間などが大半をしめ、ひょっとするとこれは勉強と両立できるのではないかと兼ねてより少しは感じてた。

勉強方法としては、まず大三国志では平の盟員になり、余計な外交やマッピングによる神経を使うのは極力やめ、行軍時間と徴兵時間を勉強の時間に充てることから始めた。例えば徴兵時間2時間…ではこの2時間の間に年度過去問をやるようにしよう。意外と集中できた。なぜかと言うと2時間勉強した先には出兵できるから、ゴールが見えているから苦にはならなかった。

大三国志も国家試験の勉強も同じ、研究すること。何度も戦闘をして勝ったり負けたり、勉強も何度も間違えたり正解しながら繰り返し繰り返しやってゴールを目指すものだ。そしてこれが毎日の日課になった。勉強ばかりすると頭が痛く疲れてくる。飽きてくる。集中力もなくなる。頭が疲れたら大三国志にインして仲間と会話したりしながら少しクールダウンをする。今の社会、宅建の勉強も全てアプリでできる。書くことは一切しなかった。アプリを開き勉強をして、疲れたら大三国志にインする。この繰り返し、そして大三国志の仲間はみんな応援してくれた。同盟を始め、誰一人否定してくる人はいなかった。私は仲間と出会いに救われた。私は自分自身にプレッシャーをかけるため、全チャットでも同盟チャットでもプロフィールにも宅建を受けるこもをあえて公表した。もちろんリアル社会でも会社の上司などから半端のないプレッシャーはかけられていたのは言うまでもない。

しかしずっと一緒にやってきたゲームの仲間は裏切れないという自分自身の心の芯に嘘はつきたくなかったし、何よりゲームをやっていたから試験に落ちたという自分に負けたくなかった。たかがゲーム、されど私のアイデンティティ。

この狭間で自分自身と戦った。毎日仕事が終わってから夜中までこのローテーションを5ヶ月間続けた。10/20が試験日、大三国志の時は7季の終了間近、同盟連合は崩壊し、流浪軍になっても私は負けたくなかった。やり続けた、勉強も同じくらいに。当日試験は全然思ったよりできなかった。合格発表日は12/4。自己採点は50問中35点だった。思ったより取れていた。なぜなら満点を狙っていたから。大三国志の編成もそうですが、完璧を目指すが必ず完璧にはならない。引き分け、負け、そういうのを完璧を目指しながら高みを狙うのが私のスタイルであり、みなそうであると思う。

そして課金はほとんどできないがそれでも勝てる方法を7季間模索し続けた。勉強もお金をかけなかった、いやかけれなかったというほうが正しい。その中でも大三国志同様に勝てる方法をいろんな人に聞いたりして模索してやり切った。

きたる12/4…ネットで合格発表を見ると、なんと私の受験番号があるではないか!なんと合格した!仲間にすぐに伝えた!みんな凄く喜んでくれた、会ったこともなく顔も名前もわからないのに…。これを読んだ人の中にはいるだろう、あなたがもともと頭がよかったからそんなにうまくいったのでしょ?って。

しかしこれだけは断言できる。私はもう40歳を超え、大学も3流大学卒でしかも高校から大学までエスカレーターでのぼった正真正銘の普通の人。ただ好きなこと、やらなければいけないことは一生懸命できるだけ。そこに自分自身で言い切り、責任を背負うことでなんとか合格しました。

ネット依存症で学力が落ちるというのはただの言い訳、親であれば自分の教育ができていないことをゲームの責任にしているだけだと感じました。そして大切なのはゲーム内ではあれ、仲間がいたこと、応援してくれたことが何度も折れそうになった私の心を支えてくれました。

盟員のみんな、そして7季のプロフィールみてDMをくれた方、本当にありがとう!これからも大三国志もリアル社会人、頑張ります!