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さらば仲間よ

ごえん(@hisagonohi)

ログインすると、手紙がたくさん入っていた。

 

「そちらの様子はどうですか?こちらは戦線布告以来、同盟チャットは凍りつき、幹部チャットで発言する人もいません」

「一週間もつかどうかという状況です、助けに来れそうですか?」

「在野になっても攻撃やみません、全剥ぎされそうです」

 

仲間からの沢山の手紙を全部読みました。

状況はわかってました。

 

それは泥沼の州内戦争。

 

そうなることはかなり初期からわかっていたので、わたしは味方を作りたくて、他国に渡りました。

沢山のひとといろいろな話をして、

手を尽くしましたが、どうにもならないこともあります。

誰が悪いわけじゃない。

みんな自分の仲間を守りたいから。

 

全部の手紙を読んで、返事を書きました。

この州内戦争に、他国からの救援は来ません。

他国は不干渉、皆洛陽に目を向けているから。

 

私が戻ったとしても、数が勝負のこのゲームでは、陥落して足場を失うだけの、いわゆる犬死にだとわかっている。

 

わたしには新しい国と新しい仲間がいて、かたや救援を求める仲間もいて。

 

わたしが出した結論は、在野になることでした。

 

洛陽に要塞も作っていたから、新しい国の仲間も何度も手紙をくれました。

「一緒に洛陽を取ろうよ。待ってるから!」

あの時の感謝の気持ちも今でも覚えています。

みなさん、あの時はありがとう。

 

でも、どうしても、わたしは救援を求めた仲間を助けたかった。

この季が終わるまで、全剥ぎされて、本城周囲を全部敵要塞で囲まれた盟主と仲間を、どうしても、どうしても救いたかった。

 

ありがとう、あの時は、仲間にしてくれて。

今でも感謝してます、うまく伝えられませんでしたが。

わたしが闘う場所は洛陽じゃない、そう決めて、土地も捨てた。

長い長い、在野生活。

 

わたしが本願を成就したのは、在野落ちしてから二ヶ月。

仲間を救い出したのは、季が終わる十日前。

敵と決めた盟主を追い詰めたのは、最終日。

 

こんな事もあるから、このゲームは面白い!