「物語の始まり、洛陽結義」
その日、3つの同盟が洛陽の下で結義が交わされた。
そう、彼の有名な劉備・関羽・張飛が桃園の下で結義を交わした様に・・・・・・あれが桃園の誓いならば、この3つの同盟が交わしたのは洛陽の誓い、洛陽結義だったのかもしれない。
「もっと早くに出会っていればな・・・・・・」
「何を落ち込んでいる。今回は敗れたが、次があるだろ」
「今回の敗北があったからこそ、我々が出会えたのだ。相手に感謝しても良いくらいだな」
洛陽争奪戦に敗れた3同盟は、出会えたことの喜びも束の間、敵の魔の手が3人の要塞に降り掛かって来た。
そう、洛陽を再度攻城されないようにと、相手同盟がとった行動だろう。
だからと言って、洛陽の攻城を阻止するために多くの部隊を犠牲にした今、この3同盟には何もする事が出来なかった。
ただただ、自分の要塞が壊れるのを見つめる事しか・・・・・・
「そろそろお迎えが来たようですね」
「そうだな・・・・・・来季はどうなる事やら・・・・・・」
「なに、我々の目指す所は同じ、同じ失敗をしないため、ここで誓を立てないか?」
「ほう、どのような誓いなのだ?」
「互いのピンチを助け、死せる場所も同じと言うのはどうだ?」
この発言の後、互いに何の発言も無いまま、時間だけが5秒、10秒と流れていった。
他の人が見たらこの時間は一瞬だったのかもしれないが、この3人にはこの時間は一生に等しい時間だったのかもしれない。
3人は決して3人だけではないのだ。大小なりとも盟員がいる中、自分だけで勝手に決めて良いのかと悩んでいるのだ。
そして、この凍り付いた時間が3人の闘志の炎によって徐々に溶け、本来在るべき時の流れを取り戻した。
「その誓い乗った!!」
「同じく乗らして貰う。盟員には理解して貰えるだろう。現状のままだと来季も怪しいからな」
「決定だな。しかし盟員への説明も難しいだろう。あくまでこれは吸収ではない、合併だ。そこで新たな同盟名を決めようと思う」
確かにこの盟主が言ったことは尤もだ。この3つの同盟の内、どれか1つに集まるのはあまりよろしくない。それぞれの同盟名にはそれぞれの歴史、物語が詰まっており、盟員の中にはそれを大切にしている人もいるだろう。
その物語を方や潰して、方や存続では不満が出るに決まっている。
それだったら全ての同盟を潰して新たな同盟を立ち上げる方がよっぽどマシだと考えたのだろう。
「確かにそうだな」
「しかし、新たな同盟名はなんと・・・・・・ッ」
「そんなのもう決まっているだろう」
「そうだったな・・・・・・」
「新たな同盟名は・・・・・・」
「「「洛陽結義!!」」」
こうして新たな同盟、洛陽結義の物語が幕を上げた。
今回、この同盟の物語はこの様に始まった。
この同盟以外にも数多くの同盟があり、その数だけ物語があるのだろう。皆が何気なく見かける同盟名には、それぞれ深い意味があり、歴史があるのかも知れない。
同盟立ち上げ時からいた盟主含め、盟員達はその物語・歴史を想起し、途中から参加した盟員達は、その物語を聞き、足跡を辿るのもまた面白いかも知れない。